マタニティブルー?産後うつ病?
生まれてすぐの頃の赤ちゃんは、寝ている間と起きている間の間隔がとても狭く、周囲の大人は睡眠不足になりがち。そんな時期は1〜2か月で終了、慣れるまでは大変な場合も多い子育てですが、楽しくて嬉しことも多いもの。
だけど・・・ママは産褥期(さんじょくき:産後、赤ちゃんを産む体から元の体へ戻ろうとする時期。産後6〜8週間を言います)でもあり、ただでさえとても疲れやすい時期。その上、睡眠不足や慣れない育児で、ママの体はなかなか本調子になれないもの。
出産直後から数か月、気分が変わりやすくイライラしたり、将来に不安を感じたり、心身の不調を感じるママはとても多く、約25〜30%の方が経験すると言われています。これは、ホルモンバランスなど産後の体の変化も影響しています。これらの症状を総合して「マタニティーブルー」と呼び、出産直後から育児期に起こるベビー周辺の人に起こります。
ママ自身はもちろん、赤ちゃんの周囲の大人も新しい命で頭がいっぱいになりがち。マタニティーブルーはホルモンバランスなどの影響により、誰にでも起こりうる症状ではありますが、ひどい場合は産後うつ病と呼ばれる症状へと発展します。
産後うつ病では、食欲低下や不眠を引き起こしてしまい、それが長引くと育児に影響を及ぼしたり、社会復帰に悪影響を及ぼしてしまうケースも。マタニティブルーも産後うつ病も、早めに気づいて対処すれば、長く辛い思いをせずにすみます。
マタニティブルーと、産後うつ病について、まとめています。
ママの体調変化にも気を配って
急に不安を感じたり涙もろくなってしまったりするマタニティブルー。出産後のママの約25〜30%が経験する症状です。出産のために変化していた女性の体が出産を終え、元の体に戻ろうとしている時期でもあり、そのためホルモンバランスが崩れることも影響しています。
「自分だけじゃないんだ」と感じることで安心感を覚え、マタニティブルーを克服できた、という方は多く、最近では一般的に知られる症状となりました。
だけど、マタニティブルーと産後うつ病との境界は、とても曖昧。
マタニティブルーは、女性の生理周期に伴うイライラや、一時的に感情が変化したり体調が変化する状態を指し、それが一日中、あるいはそれ以上続いて回復しない、気持ちが回復せずさらに悪い方向に進んでいる、などの場合、産後うつ病の可能性も。
産後うつ病の特徴としては・・・
・気分が沈むことが一日中、あるいはそれ以上続く
・赤ちゃんに対して何の感情も湧かない
・母親としての資格がないのではないか?と考えてしまう
・疲れがずっととれずに気力がわかない
・過度の食欲低下、食欲増加
・過度の不眠、過眠
こんな症状が続く場合には気をつけて。早めに専門家に助けてもらいましょう。
「気分が落ち込んで回復しない」「もしかして、産後うつ病?」と迷ったら、迷わず病院へ。
だけど・・・
育児も心配だし、病院へ行くのは抵抗がある・・・
という場合には、助産婦さんや産婦人科で相談してみましょう。
赤ちゃんの定期検診の際に併せて相談するのも良いですし、赤ちゃんと一緒に産婦人科へ相談に行くのも良いと思います。とにかく、ママは自分の体を軽視しすぎないで。ベビーにとっても周囲の方にとっても、ママは大切な存在、なのですから。
マタニティブルー・産後うつ病を防ぐために
赤ちゃんを迎えた生活をスタートさせて、何もかもが新しくなっているこの頃の生活。ママは少しくらいの不調や異変に無頓着になりがち。だけど、産後の女性の体は回復のための時期であるということも、忘れないで。ママの体の回復チェックをしましょう。特に妊娠中や分娩時にトラブルのあった方は要注意です。
退院後「何か変だな・・・?」と感じる場合はすぐ病院へ。
異変が感じられなくても、産後1か月検診は必ず受けましょう。
特に気を付ける症状とは・・・
・出血が止まらない
・粘り気があり、赤黒くにおいも強い出血(悪露:おろ)がいつまでも続く
・腰痛や腹痛がある
・貧血や息切れが激しい
・発熱や頭痛、めまい、むくみがある
・会陰切開の縫合部のはれがおさまらずに痛む
・トイレが近く残尿感があったり排尿時に痛む
・乳房が痛い
これらの症状が続く、症状がひどい、という場合には早めに産婦人科などで相談しましょう。
ひとりで考えない、悩まないで
子育ての悩み、一人で抱え込んでしまう人がとても多いようです。特に母になってからの体調不良、子育てへの不安など、なかなか周囲の人へ相談ができない、と思うママは多いようです。でも、「周囲に相談して子育てを手伝ってもらったら、気持ちが楽になった」「自分と同じ悩みを持った先輩の意見を聞いて安心した」など、誰かに相談することで悩みが解消するケースもあります。
周囲に気軽に相談する相手がいない、出来れば知らない人に相談したい・・・という場合には、自治体の相談窓口を利用してみるのも良いかも知れません。各自治体で、赤ちゃんやお母さんの悩み事や心配事の相談を電話で受け付けてくれる事業所が増えています。保健所・保険センターなどが問い合わせ窓口になっている場合もありますので、お住まいの地域を調べてみて。
又、新生児期には保険師や助産婦による「新生児訪問指導」などのサービスを実施している自治体もあり、専門家に相談することも可。自治体ごとに内容が異なりますので、確認してみてください。
つれづれなるままに・・・ちっさいメモ
マタニティーブルー、産後の鬱(うつ)は、昔から確認されていた病気で産婦人科などの病院でも相談に乗ってくれます。
最近ではママの日記や掲示板など、ネットで自己診断出来たりマタニティブルーのテストを受けるサイトなんてのもありますよ。家族の助けを借りて、回復していきましょう。ネットの人気ランキングや口コミサイトで、参考になるママさんサイトを探すのも◎。